【コンクリートの爆裂とは?】爆裂が起きる原因と危険性についてを解説
コンクリート(外壁)の一部に、この写真のような症状を見たことはありますか?
このような症状はコンクリートの劣化『爆裂(ばくれつ)』と呼び、正式には『鉄筋爆裂』と呼ばれています。
この記事では
- 爆裂とはどのような症状か
- 爆裂を起こす原因
- 爆裂を放置する危険性
について詳しく解説していきます😌
目次
爆裂とは
財務省が定めた法定耐用年数※1は
鉄筋コンクリート造(RC)、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)ともに47年※2と定められています。
コンクリート自体の寿命は、海の近くなど劣化しやすい状況下だと50年程度、良い状況の場合は100年程度とされていますが、耐用年数と建物の寿命とは関係はありません。
※1: 法定耐用年数とは、税法上定められた寿命のこと
※2: 1998年の税制改正で、マンションなどの鉄筋コンクリート造の建物の法定耐用年数は60年から47年に変更されています。
しかし、定期的なメンテナンスを怠ると寿命は変わってきます😞
劣化が進むと寿命まで持たないこともあるのです!
そして、その寿命を縮めてしまう原因のひとつが『爆裂(ばくれつ)』なんです!
ではなぜコンクリートの耐用年数(寿命)47年と、とても丈夫なのに『爆裂(ばくれつ)』が起きてしまうの?
そうですね、では『爆裂(ばくれつ)』について解説していきます!
爆裂が起きる原因
建物が古くなると、コンクリートにクラック※3(ひび割れ)ができ、そこから雨水や空気が入ります😨
その結果、内部の鉄筋が錆びて膨張し、最終的にコンクリートが内側から壊れる「爆裂」が起こります。また、台風や地震などの災害でも同様の現象が起こる可能性があります!
※3:クラックについては過去の記事で紹介しているのでチェックしてください!
コンクリートが爆裂するまでの過程
①コンクリートにクラック(ひび割れ)が発生
⇩
②クラックから雨水などの水分等が浸入
⇩
③コンクリートが中性化
⇩
④コンクリート内部の鉄筋にサビが発生
⇩
⑤膨張した鉄筋がコンクリートを押し出す=爆裂
爆裂を放置する危険性
建物への影響
- 美観を損なう
- コンクリート片の落下
- 耐久性の低下
上記のように爆裂が生じた建物は、さらに住人にも大きな影響を与え兼ねません⚠️
適切な建物を守るためにも調査は専門業者に依頼し、報告書を提出してもらうようにしましょう。
また、ひび割れが多い場合は内部の劣化が進行している可能性があるため、早めの対応が必要です👷♂️
爆裂の補修方法
建物内部にも問題を引き起こす可能性がある「爆裂」は、見つけた場合早めに対処する必要があります!
補修は業者に依頼して補修をします!
ただ、自分でもどのような工程で作業が行われるのか把握しておくと、安心して依頼ができるだけでなく、見積りの際に適切な施工がされるか判断できるので覚えておくと良いでしょう☺️
それでは、補修作業の手順を紹介します!
手順1|爆裂した箇所の調査
まずは、修復する箇所の調査をします。
目視で確認するのはもちろんのこと、打診棒と呼ばれる道具を使ってどこが悪いのか調査をしていくのが一般的です🔍
手順2|補修する箇所のはつり
次に浮いてしまったモルタルや、傷んだモルタルを撤去していく作業をします。この作業は手作業や機械で行います👷♂️
手順3|鉄筋のサビ落とし・浸透強化・防錆処理
モルタルを撤去したら、ケレンという鉄筋のサビをブラシなどを使い丁寧に落とす作業をします。また、周辺もきれいに掃除し、浸透強化剤やサビ止め塗料などで防錆処理をします。
手順4|埋め戻し、成形
補修部分に仲介接着剤を塗布した後、樹脂モルタルやポリマーセメントモルタルで埋め戻し、成形します。
また、補修する部分にプライマーとよばれる接着剤を塗布します。そのプライマーには防腐剤が含まれているため、鉄筋に塗り込めば錆止めにも効果的です!
その後モルタルを充填し、形成作業を進めます。
※この段階では、表面をツルツルには仕上げず、塗装の密着を良くするためワザと表面をざらつかせる「足付け」という工程を施します。そうすると、この後の塗装の乗りが良くなります!
手順5|乾燥養生・塗装
樹脂モルタルやポリマーセメントモルタルが硬化、乾燥したら塗装による仕上げをして修復完了です!
『爆裂』は鉄筋のサビ、腐食によって引き起こされるため、爆裂の修復作業では鉄筋のサビ落としや防サビ処理、接着力の高いポリマーセメントモルタルの使用が重要なポイントです!
まとめ
今回は、建物に起こる劣化の症状『爆裂』についてまとめました😆
- 爆裂とはどんな症状か
- 爆裂を起こす原因
- 爆裂を放置する危険性
【外壁のトラブル】は、建物の表面に影響があるだけでなく、割れた箇所から建物内部にも水分が入り建物内部にも影響を及ぼすことに発展する恐れがあります。
日々点検をして、適切なサイクルでメンテナンスを実施して、何年経っても安心して住めるお家を守ってくださいね☺️✨